■ベーシックな部分が勝敗に大きく関わってくる
森保監督がこのタイミングで4-2-3ー1にトライしたのは、三笘薫の招集外と無関係でないだろう。相手守備陣を個人で剥がせる彼がいれば、4-3-3の左ウイングで起用することが強力なオプションになる。
4-2-3-1の「3の左」では、4-3-3の左ウイングの流れで南野がプレーし、原口元気も南野と交代して出場した。1トップは大迫に代わった前田大然が務めたが、アタッカーの控え選手は4人だった。中国戦では浅野拓磨がベンチ外だった。
体調不良を訴えた彼は翌日にPCR検査で陰性が確認され、チームの練習に復帰した。そもそもストライカータイプがもう一枚欲しいところで、浅野は前田と同タイプに割り振られるが、最前線と左ウイングの選択肢は増える。昨年10月のオーストラリア戦では、南野に代わって途中出場し、決勝点となるオウンゴールを誘発した。前回の最終予選でも、貴重な得点を決めている。浅野の勝負強さにも期待したい。
サウジアラビア戦は決戦だ。最終予選突破のためには勝利が絶対条件で、同じ相手に連敗するわけにはいかない。戦術やメンバーは勝敗を左右する要素だが、それ以上にメンタリティが──日本代表としてのプライドや責任感、誇りといったものが重要になる。
僅差の攻防が確実視されるだけに、球際で戦う、球際で負けない、相手より走るといったベーシックな部分が勝敗に大きく関わってくる。小さな積み重ねをどれだけ丁寧に、粘り強くできるか。その支えとなるのがメンタリティだと思うのだ。