■謎の国を覗ける国境地帯
さて、10日以上滞在するので時間はたっぷりありました。そこで、僕は香港をくまなく歩いて観光しました。香港島や九龍半島だけでなく、香港島一周やマカオ観光。さらに新界の小さな街にも行きました。まだ、バス路線検索アプリなどありませんでしたが、香港にはバスの全路線が掲載されている素晴らしい地図帖があったのです。
あの市街地にあった超便利な(そして、超危険な)啓徳空港は1998年に閉鎖され、香港島の北西にある大嶼山という島(英語名=ランタウ島)の沖合の小島、チェクラップコク島を埋め立てて巨大な新空港が建設されました。
しかし、1980年の大嶼山は「宝蓮寺」という禅寺以外に何もない田舎でしたが、そこにも観光に行きました。九龍半島(つまり大陸)と大嶼山の間にはほんの3メートルほどの海峡があり、おばあさんが操る渡し舟で渡ります。
さて、もう一つ観光の目玉が「中国」でした。なにしろ、当時はまだ中国に渡ることはなかなか難しい時代です。香港と中国本土の境界線のそばに落馬州という小さな丘があり、中国本土を覗ける名所になっていました。