■オランダ「10」、ベルギー「8」でリーグ形成

 事情はオランダでも同じだ。2010年ワールドカップの準優勝国。現在のFIFAランキングは10位でやや落ちたとはいえ、依然として高いレベルを誇っている。しかしトップ選手の多くが自国リーグを出て「トップ5」でプレーし、オランダ国内リーグの放映権を買いたいという国などほとんどない。

「オランダから10クラブ、ベルギーから8クラブを入れて新リーグを設立する。それぞれの国で最も順位が低かったクラブは、翌シーズン、それぞれの国内リーグチャンピオンと入れ替えられる」という方式の「ベネリーガ構想」は、2020年の春以来のコロナ禍でどのクラブも経営が困難になった状況で再び燃え上がった。

 現在、欧州の「トップ5」には、世界中からとんでもない額の放映権料が流れ込んでいる。イングランドのプレミアリーグは年間4180億円ものカネをテレビから稼ぐ。スペインのラリーガは2378億円、ドイツのブンデスリーガが1671億円、イタリアのセリエAが1525億円、フランスのリーグアンが946億円と、放映権料で他を圧倒する。

 これに対し「ベネリーガ」が成立すれば、1シーズンの放映権料は一挙に520億円となり、「ビッグ5」に次ぐ第6位、すなわち「ビッグ6」となると、見積もられているという。ただ、この構想がまとまるか、現時点ではまだ不透明だ。

(3)へ続く
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