■街中で動けなくなるくらい有名に
藤川さんが一緒にボールを追った小学生の頃にはやんちゃだったという板倉だが、苦しい時期の経験も活きたのか、すっかり人間として成長している。オランダに移籍した当初には、日本から来た初対面の記者に真摯に対応し、「経費で落ちるから」という申し出を固辞して、取材中の2人分のコーヒー代を自ら支払ったこともある。
誰に対しても分け隔てなく接する人物だ。
「どれだけうまく事が運んでも、いまのように有名になっても、誰に対しても接し方が変わらず、ずっと残ってファンにもサインをしています。誰にでもフラットに接するというのは、本当に尊敬する点です」
一方で、好青年には意外な面もある。
「マネジメントをするために独立する前、数か月かけて業界の下調べをして、お互いに認識の差異がないか、板倉と確認を続けていました。彼と僕が当時からまったく変わらず考えているのが、街中に出たら『板倉滉だ!』と言われて歩けなくなるくらい有名になることです。『日本代表の選手で誰を知っている?』と質問で最初に名前を挙がるくらいに、板倉滉を有名にしたいんです」