現在ドイツでプレーする日本代表DF板倉滉は、今年のカタール・ワールドカップなど、今後の飛躍が期待される逸材だ。Jリーグからヨーロッパへ渡っても、年々ステップアップを遂げている。
そんな期待の選手をマネジメントなどで支えるのが、有限会社SeeKの藤川誠人・代表取締役だ。サッカー一家に生まれ、小学校時代から板倉を知る心のよりどころでもある。
二人三脚で成長を続ける2人の活動の裏側、さらに板倉の素顔について、藤川さんに話を聞いた。
■大学時代に増えていった板倉との時間
慶應義塾大学でも、藤川さんはサッカーを続け、プロ選手になる夢を追い続けていた。
高校時代からプライベートでも会うようになっていた板倉とは、大学とプロ生活と、互いに時間をコントロールできるようになっていたため、頻繁に顔を合わせるようになっていた。
会っても、サッカーの話はしなかった。
ユースで主力としてプレーしてきた板倉にとっても、風間八宏監督の下で急速に力を伸ばしている川崎フロンターレで出場機会を得るのは難しかった。苦しんだジュニアユース時代の再来に思えたかもしれない。
「インタビューでも、トップチームでの1、2年目を振り返る時、『ずっと苦しくて、練習にも行きたくなかった』と言っていました。当時、僕らは月に1回程度は会っていましたが、他愛もない話しかしませんでした。サッカーを忘れたい時間もあるんでしょうね」