蹴球放浪家・後藤健生は、多くの国を歩いてきた。まだ訪れたことのない国もあるが、研究には余念がなく、下調べは進めている。ワールドカップが開かれた2018年のロシアでは、旧ソ連の偉大な文化に触れた。
■「これから行ってみたい国」上位に入るジョージア
先日、新聞を見ていたら東京・神保町の「岩波ホール」が7月に閉館するというニュースが出ていました。いわゆるミニ・シアターの元祖的なホールです。大規模な商業的な映画館では絶対に上映されないような(小難しい?)名作を紹介してきた映画館ですが、最近は観客もすっかり高齢化していたので、コロナ禍で客足が遠のき赤字になっていたようです。
僕も、昔はアンジェイ・ワイダ監督のポーランド映画などをよく見に行ったものです。
それで、そのニュースを目にしたので「閉館前に一度行ってみようかな?」と思って上映スケジュールを調べてみたら、2月に「ジョージア映画祭」というのがあるようです。
そういえば、昔、岩波ホールでもジョージア映画を見たことがありますし、ジョージアという国はとても気になっている国です。僕の中の“これまで行ったことがなくて、これから行ってみたい国ランキング”では常に上位に入っている国です。
コーカサス地方にあって、非常に古い歴史のある国。首都はトビリシです。昔はロシア語の「グルジア」という国名が使われていましたが、彼らがロシア語で呼ばれるのを嫌ったため、現在では英語風に「ジョージア」と呼ばれています。守護聖人はもちろん聖ジョージ。現在の国旗も白地に赤の「セント・ジョージ旗」(イングランドの国旗と同じ)です。
ちなみに、ジョージアの言葉では国名は「サカルトヴェロ」です。「ジョージア」はアメリカ合衆国のジョージア州と同じで紛らわしいので「サカルトヴェロ」と呼んだ方がいいような気がしますが、この国の政府が外国に対しては「ジョージア」と名乗る選択をしたのですから、われわれは「ジョージア」と呼ぶしかないでしょう。