■浦和に訪れた悲劇

 浦和は後半24分に阿部勇樹のPKで先制し、相手がそのときの反則で10人になっていたこともあってそのまま危なげなく試合を進め、90分を過ぎた。しかし「4分間」と示されたアディショナルタイム3分を回ったとき、鳥栖に左CKが与えられる。鳥栖GK林彰洋が上がってきたのに気を取られた浦和だったが、MF藤田直之がけったボールは、後半22分に退場になったDF菊池直哉の穴を埋めるべくFW池田圭と交代してはいっていたDF小林久晃の頭にぴたりと合った。ボールが浦和ゴールの右隅に吸い込まれたのは、私の時計で後半48分54秒のことだった。

 同じ日にホームでヴィッセル神戸と戦ったG大阪は3-1の勝利。この時点で、G大阪が浦和と勝ち点で並び、得失点差により首位が入れ替わった。

「いまの状況でコメントするのは難しい…。シーズンの半分近く保持ししてきた首位を、最終節を前に譲ったが、あきらめずに、可能性がある限り戦いたい」

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