■鎌田大地が流れを変えた

 序盤に相手を圧倒したのは、地力に勝るドルトムントの方だった。

 65パーセントものボールポゼッションを記録しつつ、アーリング・ハーランドの動き出しと強さを素直に活かして簡単に縦に攻めることを繰り返す。

 しかし、圧倒的なドルトムントペースの中、試合を動かしたのはフランクフルトだった。

 14分、自陣で鎌田大地がボールを奪ったところからようやく攻撃をすることができたフランクフルトは、フリーキックを獲得すると、それをラファエル・サントス・ボレが合わせてゴール。攻撃時以外でもタスクをしっかりとこなす鎌田が流れを変えてみせた。

 ボレは24分にもゴールを決め、フランクフルトが2点リードで前半を終えることに成功。戦前の予想だけでなく、序盤の試合内容からも想像がつかないスコアで折り返すことになった。

 後半は2点を追うドルトムントが再び圧倒するかと思われたが、開始1分でフランクフルトがペナルティエリア中央を抜けるビッグチャンス。

 しかし、それを決めきれないとそこからはドルトムントが圧倒する展開に。フランクフルトは、ピッチを広く使ってシュートまで完結させてくるドルトムントに対し、耐えてようやくボールを持っても自陣で即座に奪回されてしまう苦しい時間が続き、71分にとうとう1点を返される。

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