■シリア代表GKとの再会
「さて、どうしようか……」と考えていたら、すぐ目の前にあのGKのベルクダールがいて「ここに座れよ」と手招きしていました。
おかげで、テヘラン到着までの間にベルクダールにいろいろ話を聞くことができました。
ベルクダールはテヘランでも何度か試合をしたことがあるそうです。
「テヘランでは10万人の観客が入るんだよね。そうすると、イランのやつらは攻撃に力を入れ過ぎてしまうんだ。そうなると、カウンターで点を取れるチャンスも出てくるから、リベンジできる可能性はあると思ってるんだ」
そういえば、ダマスカスでの試合でもイランの守備陣の後方には大きなスペースができることが何度もありました。それを見ていた僕は、「日本が戦う時には俊足の“野人”岡野雅行でも走らせたら面白いだろうな」と思ったものでした(結果論ではなく、本当にその時、そう思ったのです)。
シリア航空に売りつけられたファーストクラスは実在しない偽チケットだったのですが、イラン人記者と知り合えたり、ベルクダールの話をたっぷり聞けたりしたので文句は言うまいと僕は思いました。