■性別も年齢も超えて続く旧・読売クラブの育成力

 Uー15選手権に出場しているのは「メニーナ」の中でも年齢が下の15歳以下の選手たちなのだが、青木のようにこちらの大会にも出場可能なはずの15歳以下の選手の何人かは皇后杯の方に出場していた。

 ちなみに、“姉貴分”のベレーザは、皇后杯4回戦では同じWEリーグメンバーであるAC長野パルセイロ・レディース相手に4対0で完勝している。いやはや、この日はベレーザの強さを大いに印象付ける一日となったようだ。

 男子の東京ヴェルディも同様だが、このクラブ(つまり旧・読売サッカークラブ)の育成の伝統はまったく揺るぎがないようだ。クラブの経営状態は苦しそうだし、男子のトップチームは長いことJ2に定着してしまっており、最近では監督のパワハラに関して不祥事があってJリーグから処分を受けた。

 そんな中でも、このクラブからは次々と素晴らしい選手が育っているのである。そうした育成の伝統は、これからもぜひ守っていってほしいものだ。

 ベレーザはWEリーグでは出遅れて、現在5位にいるが、その分、皇后杯に向けてのモチベーションは高いことだろう。今シーズンの天皇杯は「ベレーザの連覇なるか」が焦点になるようだ。

 また、もし、メニーナが準々決勝(12月29日)で大宮アルディージャVENTUS(WEリーグ7位)を破ったりすれば、1月5日の準決勝ではベレーザと顔を合わせることとなる。(※編集部注 29日の試合ではメニーナは大宮に4−0で勝利したが、ベレーザがジェフユナイテッド市原・千葉にレディースに0−3で敗戦し、ベレーザ対メニーナの対決はならなかった)

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