毎年恒例の元日の天皇杯決勝は前倒しで行われたが、年をまたいでJリーグの動きは進行している。チームはオフに入ろうとも新シーズンへ向けてチーム編成を続けているのだ。
来たる2022年シーズンは、どのような1年になるのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が、いろいろなことが起きた2021年を糧として振り返りつつ、2022年のJ1の行方を占う。
■試合によって波がある横浜FM
――川崎フロンターレはレアンドロ・ダミアンが残りますが、同じ23得点した横浜F・マリノスの前田大然はヨーロッパへの移籍が噂されています。実現すると、チームとしては頭が痛いですね。
大住「前田はレアンドロ・ダミアンとは、タイプが違うから。レアンドロ・ダミアンが抜けたら、本当に川崎はきつかったと思うけど」
後藤「マリノスが優勝した2019年シーズンには仲川輝人が得点王とMVPに輝いたけど、翌年はケガもあって全然ダメだった。マリノスは、毎シーズン主役が入れ替わる感じだね。2019年に仲川と並んで得点王になったマルコス・ジュニオールは絶対の存在だったけど、最近はそんな感じでもなかった。優勝した2019年は『あの10番がいればマリノスの強さは圧倒的だ』と思ったけど」
大住「マリノスは他のチームとサッカーの仕組みが違うから。川崎は、レアンドロ・ダミアンが前線にいることが、チームの安定につながっている。マリノスはそれとは違う仕掛けだけど、フロンターレ以上に点を取っている」
後藤「ただ、マリノスは点を取れる試合と取れない試合の差が大きいね」