さまざまな出来事が起きた2021年の日本サッカー界。Jリーグでは川崎フロンターレが圧倒的強さで2連覇を果たし、日本代表はワールドカップ最終予選で崖っぷちに立たされたもののなんとか勝利を掴むことができた。そんな中で、現場で取材した記者が目撃したピッチ内外の衝撃事件を振り返る。
■5月8日/J1第13節 ガンバ大阪0―2川崎フロンターレ(パナスタ)
コロナ禍の影響で、21年もいくつかのリモートマッチが行われた。観客がいないスタジアムでの試合を、サポーターやサッカーファンが観られるのはDAZNでの映像だけ。しかし、そこで映ったものだけがすべてではない。カメラが放送しなかった場面でも、衝撃事件が起きていた。
ガンバ大阪と川崎フロンターレがパナスタで激突したのも、リモートマッチだった。その先制点を奪ったのが、レアンドロ・ダミアンだ。キャプテンマークを巻いたこのブラジル人ストライカーが41分に奪った得点が、決勝点となった。
このゴールを“お膳立て”したのが、3トップの一角で先発した長谷川竜也だった。左ウイングに入った長谷川が、脇坂泰斗からのスルーパスをガンバの最終ラインの裏で受けてドリブルを開始。東口順昭と1対1になりかけるも、ガンバ守備陣の必死の抵抗で長谷川が持っていたボールはかきだされてしまった。しかし、そのボールが詰めていたダミアンの足元に吸い寄せられるようにして転がっていった。21年の得点王に輝いた9番は、このボールを蹴り込むだけで良かった。