■「現時点の浦和」ではリーグ優勝できない
結論的に言えば、現時点でのチーム力では浦和はまだリーグ戦で優勝することはできないと僕は思う。
まず、そういう視点に立って客観的に天皇杯決勝を振り返ってみよう。
浦和は、非常に良い形でゲームに入った。
キックオフから40秒も経過しないうちに、右サイドで関根貴大が酒井宏樹とのワンツーで抜け出した場面があった。ここは大分の選手がタッチに逃れたのだが、早い時間に積極的な姿勢を見せて主導権を握ることに成功した。その後も、関根のサイドでチャンスを作り続けた。
そして、早くも6分にはその右サイドから崩して浦和が先制ゴールを決める。
相手陣内の深い位置で関根と絡んだのは、オリジナルポジションとしては左サイドにいたはずの小泉佳穂だった。そして、関根が相手のペナルティーエリア内を強引に突破して相手DFを引き付けてマイナス気味に入れたボールをフリーになっていた江坂任が決めたものだ。
素晴らしい崩しからの先制ゴールだった。