■森保ジャパンの命運を握る年明けの6日間

 FIFAがしっかりと「国際カレンダー」を運用するようになってからは、アジアカップを除けば始めての1月の国際試合である。しかもワールドカップ・アジア最終予選の最も重要な局面である中国、サウジアラビアとのホーム2連戦。この試合を森保監督が言うようにチーム一丸で戦うには、試合が続いている欧州組だけでなく、オフ明け直後の国内組のコンディションを上げるためにきちんとした試合が必要だったのは間違いない。

 しかしそのために招集されたチームを見ながら、私は心に浮かんだ懸念を払拭することができていない。

「チームづくりにおいてベースはなければならない。序列はあるが、絶対ではない」

 森保監督はそう話す。選手の情報を徹底的に集め、トレーニングを見て、ベストのメンバーを見極めて試合に送り出しているという。

 チームには、常にフェアな競争が必要だ。ウズベキスタン戦に向けて、参加する選手たちが「公平な競争に参加している。自分もしっかり見てもらっている」と感じられるようにしなければならない。それが、中国戦、サウジアラビア戦に向けたメンバー選考だけでなく、両試合の先発メンバー決定、そして交代として送り出す選手の決定に対する全選手の信頼、チームの結束につながる。

 ウズベキスタン戦と、試合に向けての5日間の合宿は、単なる国内組の調整のためのものではない。このワールドカップ予選、そして「森保ジャパン」の命運を握る重要な6日間になるのではないかと、私は思っている。

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