サッカー日本代表・森保ジャパンの命運を握る「年明けの6日間」【『国内組日本代表』への期待と懸念】(3)の画像
森保ジャパンの命運を1月の6日間が握っている 提供:JFA

 年明けの親善試合に臨む、最新の日本代表メンバーが発表された。新顔も入ったが、どこかに引っかかるものもある。日本代表メンバー発表にのぞく期待と不安を、サッカージャーナリスト・大住良之がひも解く。

■欧州組を重用したジーコ体制との類似点

 ジーコ監督は2002年秋に就任した直後から「欧州組」を重用し、無条件に近い形で起用し続けてきた。彼らの実力と経験に頼り、欧州から戻って代表戦を戦うということで生じるコンディションの良し悪しにはあまり目が行っていなかった。実際、3月のシンガポール戦は、高原直泰(ハンブルガーSV)と柳沢敦(サンプドリア)の調子が非常に悪く、前半は良かった中盤の選手たちも後半にがくんと運動量が落ち、大苦戦を余儀なくされた。1-1の同点からチームを救ったのは、中村俊輔(レッジーナ)に代えて後半22分に投入されたMF藤田俊哉(ジュビロ磐田)の一撃だった。

 考え方は大きく違うかもしれないが、現在の日本代表を預かる森保一監督も、結果的には2004年春までのジーコとよく似たチームづくりをしている。ことし9月に始まったワールドカップのアジア最終予選では、欧州から戻って1日、2日でも、そして所属クラブで試合出場が少なくてコンディションを崩していても、実績のある欧州組を使い続け、苦戦を続けてきた。

 ウズベキスタン戦に呼ばれた22人、なかでも11月には呼ばれていなかった12人は、「大きなチャンス」と張りきるかもしれない。しかし中国戦、サウジアラビア戦には「欧州組」が大量にはいり、自分たちは「御用済み」になるのではないかという不安はないだろうか。所属クラブのチームメートたちが新シーズンに向けてキャンプ地で必死に走り、チームプレーを確認しあっているときに、こんなところにいていいのかという思いが脳裏を横切らないだろうか。

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