■荒木遼太郎の仕掛けが有効なのは…
日本代表が「武器」を失って久しい。
直接FKだ。中村俊輔、遠藤保仁、本田圭佑らに比肩するキッカーを見つけるのは簡単でないが、そもそも直接FKからゴールを狙う機会が著しく減っている。
理由はひとつではないのだろうが、ペナルティエリアの周辺でファウルを誘うことができていない、と言うことはできるはずだ。伊東や三笘は相手守備陣にストレスを与え得る存在だが、直接ゴールを狙える位置からの直接FKは多くない。
これから代表定着を目ざす選手に、途中出場のジョーカーとなる選手に求められるのは、相手の脅威となる仕掛けだろう。そういう意味で期待されるのが、代表初選出の荒木遼太郎だ。
プロ2年目の鹿島アントラーズで10ゴールを記録した19歳は、バイタルエリアで勝負できるタイプだ。攻撃のポジションならそつなくこなしていくが、サイドよりもピッチの中央に立つほうが脅威度は増す。3-2-3-1ならトップ下、4-3-3ならインサイドハーフで試したい選手で、積極的な仕掛けからのチャンスクリエイトと直接FK奪取が期待できる。
ウズベキスタン戦を現実的にとらえれば、「中国戦、サウジアラビア戦に出場しそうな国内組に、実戦感覚を磨いてもらう機会」である。ただ、興味深い選手を招集したのだ。将来を見据えたテストも進めてほしいのである。