■伊東純也は「元スペイン代表・ホアキン」!日本人には稀有なドリブラー
森保監督率いる日本代表の不動の右サイドアタッカー・伊東純也。今季はヘンクで公式戦25試合に出場して2ゴール9アシストを記録(12月6日時点)しており、早くも2桁アシストに迫る勢いだ。その伊東といえば、三笘とは違って利き足と同サイドを担当することが多いのだが、
「利き足と同サイドを突破することはすごく難しいんですよ。その中でも伊東選手はしっかりDFを抜き切ってクロスを上げられる。これができる選手は日本にはあまりいないですね。世界で言えば、ベティスのFWホアキン・サンチェスのよう。ホアキンや伊東選手のように右サイドを突破できる右利きのドリブラーは本当に貴重ですよ」
と、今季限りでの引退の意向を示している元スペイン代表を引き合いに出してその希少性を語ってくれた。
三笘のように利き足と逆サイドに配置された選手は、縦への突破に加えてカットインという2つ目の選択肢があるが、伊東のように利き足と同サイドの選手は基本的に突破するコースが縦だけに限られているため、ドリブル突破の難易度が上がるのだろう。
「三笘選手よりもテクニックは劣るかもしれないですが、伊東選手のように右サイドを突破するのは三笘選手でも難しいと思いますね」
加えて桜井さんは、伊東のドリブルの特長について、
「1番の武器はやはりスピードで、その能力を最大限に活かす方法を知っていますよね」と話す。
9月8日に行なわれた最終予選第2節中国戦の40分のシーンでも、伊東は右サイドでボールを持った際、相手SBの後ろにスペースがあるのを確認し、スピード勝負を仕掛ける。圧巻スピードで抜き去ると、右足で高速クロスを上げて大迫勇也のゴールをお膳立てしてみせた。速さを活かすタイミングを自身でもしっかりと理解できていることが垣間見える素晴らしいアシストだった。
桜井直人 さくらい・なおと
1975年埼玉生まれ。浦和レッズでプロとしてのキャリアをスタートさせ、ヴェルディ川崎や東京ヴェルディ、大宮アルディージャでドリブルを武器に活躍。2001年には日本代表候補にも選ばれた。現役引退後は大宮と浦和で普及コーチを務め、現在は2013年に創設したドリブル特化型スクール「ソルプレッササッカースクール」で小学生を対象に指導を行なう。