■ミケル・アルテタ監督にも問題はある
サンチョは突破のチャンスを窺いながら時間を使い、44分の場面と同じようにエリア内へパス。冨安、そして今回はマルティネッリが2人目としてついていたが、ボールはまたしても走り込んできたフレッジへ。
この1点目と全く同じ状況に反応したのはウーデゴーアだ。フレッジにボールが入るところでスライディングをしてなんとかカット。マーティン・アトキンソン主審はノーファウルのジェスチャーを見せ、ゴールキックで試合が再開した。
ところが、アーセナルがボールを動かし始めるとVARが介入して試合がストップ。背後からボールではなく足を刈っていたことが確認され、ユナイテッドにPKが与えられた。
キッカーのロナウドが力強く真ん中に蹴り込んでユナイテッドが勝ち越し、これで試合が決した。
冨安はドリブルに対する守備でアーロン・ワン=ビサカ級の強さを発揮したものの、結果的にはサンチョとの1vs1の状況から2失点。
評価が分かれるところだが、冨安の最優先タスクは対面の相手に突破を許さないことだった。対人に強いディフェンダーにはその背後にできるスペースを使う、という狙いを持っていたユナイテッドに対して1試合の中で2度目を許してしまったのは、冨安の責任ではなくチームの守備のデザインの問題だろう。試合の中でそこを修正しようとしなかったミケル・アルテタ監督の問題でもある。