最大の問題は攻撃の最終段階にある【「なでしこジャパン」は正しい方向に進み始めている】(2)の画像
サイドバックとして起用された宝田は積極的に攻撃参加していた 写真/JFA

 なでしこジャパンにとって東京オリンピックは、悔しい結果に終わった。だが、時間は進んでいる。チームもまた、前進しなければならない。
 新生女子日本代表は、新監督とともに歩み始めた。その第一歩をサッカージャーナリスト、大住良之が読み解く。

■高いボール保持率と「縦」への意識

 パススピードも速く、リズムも悪くなかった。ボランチの猶本と長野を中心にテンポよくパスをつなぎ、逆サイドへと展開するサッカーに対し、アイスランドは自陣にしっかりと引いて守備組織をつくるという形が多くなった。

 0-2で敗れたものの、1試合を通じて、ボール支配はなでしこジャパンが大きく上回ったはずだ。アイスランドの大きな展開に「奪いどころ」を見いだせず、振り回される時間帯もあったが、常に「縦」への意識をもったパス回しは、これからのなでしこジャパンのサッカーのベースとなるもののように感じられた。

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