■試合を重ねれば改善可能な欠陥
失点は、いずれも相手の個のスピードを殺すことができなかったことで生まれた。前半14分には、ハーフライン付近でのパスミスで相手に奪われ、時間をかけずに右に展開されると、相手の最大のストロングポイントであるS・ヨンスドッティル(背番号23)に独走されてそのまま決められた。後半26分の2点目は、相手陣深くからのロングパスでまたもS・ヨンスドッティルに走られ、中央に入れられたボールをフリーのソルバルズドッティルに決められた。
池田太監督は、このS・ヨンスドッティルを抑えるために左サイドバックにスピードと高さのある宝田沙織を起用、宝田は積極的な攻撃参加でS・ヨンスドッティルを守備に奔走させ、うまく機能していたのだが、この2回の場面だけ、宝田が前に出たところにパスを出され、最後にS・ヨンスドッティルに追いすがったのが、1点目が猶本光、2点目のときには長谷川唯だったところに、サッカーの面白さと難しさがある。
もちろん、ミスもあった。テンポが上がりすぎて不正確になったり、ボールの受け手とのタイミングが合わないこともあった。しかしこうした欠陥は、ゲームを重ねることで改善されるポイントのように思われた。