■問題だったユベントスの対応

 しかし、トーマス・トゥヘル監督がその狙いを放置しておくわけがなかった。

 ベン・チルウェルを大外に張らせることで、マッケニーへの対応とリュディガーがカバーすべきスペースの限定を同時に達成。ユベントスのワンチャンス狙いはこれによって完全に無効化され、チェルシーは余裕を持って攻撃し続けることができるようになった。

 コンビネーションから大外を利用する、という形で面白いようにユベントスを崩していくチェルシーも見事だったが、問題だったのはユベントスの対応だ。

 チェルシーがユベントスの狙いに対応したのとは対照的に、最後のところで守り抜く、の一点張りで突き通そうとしたビアンコネロは、大外への対応で後手に回りあえなく連続失点。3枚のセントラルミッドフィルダーがボールのあるサイドに偏って守備にあたることで堅牢さを見せようとしたものの、55分、左サイドからのクロスが右サイドのリース・ジェームズまで流れるとそちらは人数不足でフリーに。真っ先に反応したのはフォワードのキエーザだったが、当然戻りが間に合うことなく失点となった。

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