【チャンピオンズリーグ分析】チェルシー対ユベントス、一枚上だったCL優勝チェルシー・トーマス・トゥヘル監督の「打ち手」【0対4の敗戦、ユベントスはなぜ崩壊したのか】(1)の画像
チェルシーのカラム・ハドソン=オドイが3点目を決めたシーン 写真:AP/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ グループH第5節 チェルシーvsユベントス 2021年11月23日(日本時間29:00キックオフ)】

 セットプレーで先制を許したとはいえ、ユベントスは守り通すプランを遂行していた。

 簡単に整理しておくと、波乱なく2強2弱という結果になっているグループHにおいて、この試合はユベントス(突破決定済)とチェルシー(引き分け以上で突破)のどちらが首位通過を果たすのか、という状況で行われることになった。

 ホームでのチェルシー戦も含めて4連勝のユベントスは、ここで負けなければ首位通過を確定させるだけでなく、1点差の敗戦となって勝ち点で並ばれても、該当チーム同士の直接対決における数字は互角であり、グループリーグ全体の得失点差でまだ上に立つことができる。

 だから、0-1になっても、まだ当初の予定通り守る。そういう状況、しかもアウェイでしっかりと守り抜く。それはステレオタイプで広く持たれているイメージ通り、カルチョの国のクラブにとって得意なもののはずだった。

 どれだけ攻められても最後のところで守り抜く、という試合運びを見せ続けるユベントスの攻撃での狙いは、チェルシーのセンターバック、アントニオ・リュディガーが高い位置までボールを持って上がってくることで生まれる歪みであり、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、チェルシーの攻撃に厚みを加える厄介な存在である背番号2を浮かせたまま試合を続けた。

 深く守るユベントスにとって、そこを狙う攻撃の鍵はウェストン・マッケニーとフェデリコ・キエーザの運動量だった。そしてそのためには、アドリアン・ラビオが左サイドから加わって3枚になるセントラルミッドフィルダーから、いかに質の高いボールを出すことができるのかが重要になってくる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3