■「属人的」なマネジメント頼りの限界
大分復活のストーリーには、常に優秀な指揮官の名前があった。2012年のJ1昇格には、田坂和昭監督の存在が欠かせなかった。もちろん今季のJ1を戦えたのも、片野坂監督あればこそ、である。
躍進には、こうした名将の存在が欠かせないが、監督個人に頼り切る「属人的」なチームマネジメントには、どうしても限界がある。田坂監督も就任から5年目のシーズン途中で解任の憂き目に遭い、片野坂監督の下での奮闘も、6年目の今季、ついに「不発」の時期を迎えた。
痛手だったのは、主力選手の流出だ。昨季の3バックの中心として、フィールドプレーヤーで最長の33試合2970分間ピッチに立った鈴木義宜が、清水エスパルスへと移籍した。チーム最多の8ゴールを挙げた田中達也も浦和レッズへと移り、生え抜きの岩田智輝は横浜F・マリノスでの挑戦を選んだ。