2021年のJ1リーグは、早々に川崎フロンターレの連覇が決まった。一方で、J2降格チームも2試合を残して決定した。大分トリニータ、ベガルタ仙台、横浜FCは、来季をJ1で戦うことはできない。
クラブの行く末を大きく左右するJ2降格は、なぜ避けられなかったのか。さまざまな角度から検証する。
今回の対象は、3年ぶり4度目のJ2降格の悔しさを味わった大分トリニータ。
■J1最少にとどまった得点力
大分トリニータが紡ぐストーリーは、常にドラマチックだった。
初めてのJ2に挑戦した1999年から2年連続で、わずか「勝ち点1差」でJ1昇格を逃した。2008年にはJ1でクラブ史上最高の4位フィニッシュとナビスコカップ(現ルヴァンカップ)優勝を成し遂げたが、翌年にはJ2降格を味わった。2012年には、劇的な展開でプレーオフを制してJ1に復帰。2016年にはJ3から再スタートし、3年でJ1へとたどり着いた。
そしてまた、J2降格が繰り返された。
ピッチ上の問題点は明らかだ。降格が決まった第36節までのチーム通算得点は、今季J1で最少となる26ゴールにとどまっている。
J3からの3年でのJ1到達には、片野坂知宏監督の手腕が大きく影響した。J1に復帰した2019年には、GKも含めて後方から丁寧にパスをつなぎ、プレスに出てきた相手の裏を突く「疑似カウンター」とも呼ばれたスタイルで序盤の台風の目となった。
だが、2年も対戦していれば、当然相手は対応を施してくる。今季は開幕から、目に見えてシュートの本数自体が減っていった。