■シーズンを通じて蓄えられた力

 浦和は、8月から9月にかけて7試合負けなしを記録した時期があり(この間、6勝1分)、メディアでは人気の高い浦和のサッカーをかなり持てはやした。僕は、しかし、この頃の浦和は下位チーム、あるいは今シーズンは不調のチームとの対戦が多かったのでまだまだ懐疑的な気持ちが強く、「浦和のサッカーを評価するのは、10月から11月にかけての上位相手の試合を待とう」と思っていた。

 実際、上位チーム相手の試合では神戸に1対5と大敗したり、スコアは0対1だったものの鹿島アントラーズにも完敗。そして、ルヴァンカップでもセレッソ大阪相手に1分1敗で準決勝敗退に終わった。

 だが、川崎とはルヴァンカップに続いてリーグ戦でも引き分けに持ち込み、そして今度は横浜FMも破ったわけである。

 今シーズン開幕直後の対戦では、横浜FMには0対3(3月14日、第4節)、川崎には0対5(3月21日、第6節)と大敗していたことを考えれば、リカルド・ロドリゲス監督の下で戦ったこの1シーズンを通じて浦和が力を蓄えてきたことは間違いない。

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