今季のJ1は川崎フロンターレが連覇したが、新たな変化の胎動がある。屈指の人気を誇る浦和レッズである。
人気のみならず、実力ある選手もそろっている。さらに、新たな流れを持ち込みそうなリカルド・ロドリゲス監督もやってきた。
浦和に、川崎の3連覇を阻む「器」はあるのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■「2強体制」の構図を変えられるか?
11月20日に行われたJ1リーグ第36節。
J1リーグでは、すでに川崎フロンターレの優勝が決まっており、残る興味はACL出場権争いと、そして最も重要な残留争いだったが、第36節が終了した段階でいくつかのクラブのJ2降格が決まり、またヴィッセル神戸がACL圏の3位に大きく近づいた。最終節まで激しい争いが続きそうなのは、J1残留争いの最後の1枠を巡る攻防だ。
僕は、その第34節では浦和レッズ対横浜F・マリノスの試合を観戦に行った。すでに、横浜FMは3位以上、つまりACL出場が決まっている。一方、6位の浦和は3位には遠いが、来シーズンのためにも横浜FMにはぜひ勝っておきたい……。そんな試合だった。
僕が、この対戦に興味を持ったのも「来シーズン、川崎フロンターレに挑戦して、川崎の3連覇を阻む挑戦者は誰なのか?」という点だった。両クラブは、その有力候補である。
結果は2対1でホームの浦和が勝利した。
今シーズンのJ1リーグでは川崎が圧倒的な強さを発揮し、そして横浜FMも最後は息切れしたものの、一時は川崎に勝点1差まで詰め寄った。つまり、今シーズンは川崎と横浜FMの「2強体制」のシーズンだったと言っていい。
その、強かった川崎に対して浦和はYBCルヴァンカップ準々決勝以来、3試合連続で引き分けており、リーグ戦の試合でも11月3日の第34節を1対1の引き分けで終えた。そして、この第36節では横浜FMを2対1で破ったのだ。