■浦和守備陣が抑え込みに成功した相手
さて、第36節のゲームでは浦和は2対1で横浜FMを破った。横浜FMのゴールは、試合の終盤の85分。すでに浦和が2対0とした後の1点であり、浦和はきちんと守備の手配もしながら逃げ切ったもので、勝負としては完勝だった。
ただし、試合内容としては横浜FMがボールを握って攻め込む時間が圧倒的に長いゲームだった。公式記録によれば、シュート数も浦和の3本に対して横浜FMが12本。CKの数も浦和が1本に対して、横浜FMは11本だった。
それでも、浦和の勝利は奇跡的な偶然ではまったくなかった。
なぜなら、横浜FMに攻め込まれる時間は長かったが、決定機は作らせなかったし、浦和の得点も狙い通りの得点だったからだ。
守備面では、浦和の守備陣は第35節まで21得点を決めて得点王争いのトップを走っている横浜FMの前田大然にほとんど決定機を与えなかった。
ゴール前をしっかりと固めて、前田に走るスペースを与えなかったのだ。浦和は横浜FMにボールを持たれた場合は、割り切ってツートップ(といっても、この日はどちらもCFタイプではない関根貴大と江坂任だったが)までもが自陣のかなり深い位置まで戻ってスペースを消した。
そして、しっかり守った浦和はカウンターを発動した。