■11月20日/J1第36節 浦和レッズ―横浜F・マリノス(埼スタ)
20日にJ1第36節が行われ、浦和レッズと横浜F・マリノスの試合は、大卒ルーキーMF伊藤敦樹の活躍で、浦和が2-1で白星を飾った。来季のACL出場権獲得を狙う浦和は、3試合ぶりの勝利となり、シーズン終盤に向けて立て直した。
今週は、MF阿部勇樹の引退に続き、DF槙野智章とDF宇賀神友弥の退団が連日のように発表された。浦和の指揮官リカルド・ロドリゲスは3人の退団を受けて19日のオンライン取材で、「人間として彼らにすごく愛情を感じている。プロとしての決断を下さざるをえなかった」と涙ぐみながら語り、あらためて、その存在の大きさを感じさせた。
そんな中で迎えた今節、浦和は横浜FMを2-1で破り、システムの変更も功を奏し、手応えのある勝利をつかんだ。
ここで一気に世代交代が加速した印象を受ける浦和だが、今シーズンは若手選手や新加入選手の台頭が目立ち、主戦力として定着した。その代名詞でもある一人が、今節でJ1初ゴールを飾り、1ゴール1アシストの活躍を見せたMF伊藤敦樹。大卒ルーキーでありながら開幕スタメンに抜擢されると、今シーズンはここまで23試合に先発している。
奇しくも、伊藤と宇賀神は、浦和のユース出身でありながらトップチームへの昇格が叶わず、流通経済大学を経てチームに加入するという、まったく同じ道を辿っている。
試合後、伊藤は「ウガさんは、ユースから流大(流通経済大学)に行って、レッズに戻ってくるという同じ経歴です。自分はユースからトップに上がれずに流大に行き、その時にウガさんはレッズで活躍されていました。自分がユースや大学生のときに目標としていた選手の一人で、“そういう道もあるんだよ”と示してくれていたのがウガさんでした。同じ道を辿ることができて、ここに戻ってこられたことは、ウガさんがこういう道を切り開いてくれたのが大きかった」と、宇賀神の存在の大きさを称えた。
「今年、同じチームになって、ピッチ内外で多くの声を掛けてもらっていますし、本当に素晴らしい人。残りはリーグ戦2試合と天皇杯2試合しかありませんが、残り4試合で、感謝の気持ちというか、自分が成長した姿を見せたいですし、ウガさんと一緒に喜び合いたいです」と、共に歓喜の瞬間を味わうことを誓った。