■12月12日/天皇杯準決勝 川崎フロンターレ - 大分トリニータ(等々力)
川崎フロンターレにとって、まさかの敗退となった天皇杯。2冠を目指したJリーグ優勝チームだったが、J2降格が決まっている大分トリニータと延長戦までもつれ込み、PK戦の末に敗退。決勝に進むことなく、今シーズンを終了することとなった。
「ここで敗戦するのは想定していなかった」
試合後、川崎キャプテン谷口彰悟がこう振り絞るのがやっとというような試合展開だった。川崎は延長も含めた120分間で28本ものシュートを放ち、大分ゴールを脅かし続けた。それも、ただシュートを放ったものではなく、大分守備陣をゆさぶって崩してのものだけに、等々力競技場には何度も悲鳴が上がった。そして、今季のJ1リーグで圧倒的な強さを放ったチームが、シーズン終了をホームスタジアムで突然迎えることになったのだ。
試合後、川崎の選手はいつものようにサポーターへあいさつに向かった。しかし、どの選手も顔が沈んでいる。その中に、号泣している2人の選手がいた。MF脇坂泰斗とMF旗手怜央だ。2人とも、今季のJリーグベストイレブンに初選出されたように、チームをけん引してきた。主軸として優勝が果たせなかった思い、選手個人としてのやるせなさが、涙となって表れたのだ。