■トップ昇格を諦めたセスク

 一方で、シャビやイニエスタとは異なるケースがある。

 それはトップで活躍する画を描けず、早い段階でクラブを去るパターンだ。その典型例は、セスク・ファブレガスだろう。

 バルセロナのカンテラーノだったセスクは、15歳でアーセナルへの移籍を決断している。「僕は15歳で、バルセロナでキャプテンだった。アーセナルから高く評価してもらっていた。バルセロナには、イニエスタをはじめ、素晴らしい選手がたくさんいた」とセスクが当時を回想している。

 アーセナルでは、アーセン・ヴェンゲル監督が長期政権を築いていた。そのヴェンゲル監督が、プライベートジェット機でバルセロナに赴き、セスクを直々に説得したと言われている。

 トップチームの指揮官に道筋を示され、セスクの意思は固まった。2002-03シーズン、アーセナルで、16歳177日の若さでトップデビューを飾り、セスクは主力に定着していった。

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