【明治安田生命J2リーグ 第36節 大宮アルディージャvsジュビロ磐田 2021年10月30日 14:03キックオフ】
ボールを受けた大森も、ゴンザレスも、突然のビッグチャンスに気持ちが焦ることはなかった。
特に、ルキアンがお休みになったことでスタメンとして初めてプレーする機会を得たゴンザレスは、当然ゴールを欲していた。
本人も試合後に「もちろん、ゴールを決められなかったことは残念」と振り返っている。それでも「あの状況で、自分も打てるタイミングはあった」が、山本が「自分よりも良い状態」だったことで「ゴールに近いほうを選んだ」のだという。「誰が決めてもチームの目標が達成できればいい」と背番号29の助っ人は殊勝に語ったが、チームが勝つために自分がどうすべきか、を全員が常に最優先するその意識こそ、鈴木政一監督が率いる今シーズンの磐田が見せる“らしさ”だ。
ボール回しで逃げ道になる、ということは、必然的に、苦しい時にはみんなが遠藤を見るということだ。遠藤はもともとの存在感だけでなく、役割としてもそういう選手として磐田の中心にいる。
どんな場面でもチームのために、そして焦らず冷静にプレーしてみせるその姿は、チーム全体のプレー選択に大きく影響を与えている・・・というのは言い過ぎかもしれないが、このゴールシーンで各選手がそうだったように、現在の磐田らしさとイコールになっている、と言うことはできる。