■昇格にまた一歩近づいた
逆転勝利を目指して気持ちがはやる場面で、まだ“らしさ”に染まりきっていないシーズン途中の加入選手、伊藤槙人や金子翔太に近づいてコミュニケーションをとるのも遠藤だ。同点ゴールの場面で大きな役割を2度果たした初先発のゴンザレスとも、後半開始前に通訳を介して話し込んでいた。そういう様子を見ると、戦い方だけではなく、磐田は遠藤のチームになったのだ、と強く感じさせられる。
振り返れば、鈴木監督は昨年10月2日の就任会見で「オンオフの関係の判断もプレーの精度も高めていくことによって、より効果的なシュート、あるいは得点までの部分のレベルが上がってくる」と語っていた。遠藤はその直後の10月5日に期限付き移籍で加入。その言葉を体現する選手として見事に磐田を生き返らせた。
1年が経ち、遠藤と“らしさ”が重なったチームはJ1復帰目前まできた。
最終的に、6分表示だった後半アディショナルタイムの90+7分(大宮の黒川淳史が足を痛めてレフェリーが時計を止めたため)というギリギリのところで逆転勝利を掴んだ磐田。悪い流れに飲みこまれてしまうのかどうかの正念場となっていた試合で劇的な勝利を挙げたことで、昇格、そして優勝に向けて再び勢いづきそうだ。11月7日に控えている2位京都との天王山は、J1チームのサポーターにとっても要注目の戦いになる。
■試合結果
大宮アルディージャ 1-2 ジュビロ磐田
■得点
9分 山越康平(大宮)
53分 山本康裕(磐田)
90+7分 山田大記(磐田)