■等々力競技場の至る所に掲げられた国旗
スコアレスで折り返した後半開始早々、エースFWが試合を動かした。中盤でゆっくりとボールを保持していた川崎は、相手陣内で脇坂がペナルティエリアにミドルパスを送る。ゴール前に走り込んだダミアンはそれに合わせることができず、ダミアンをマークしていた清水ディフェンダーもそれに触れることができなかったが、そのボールの流れをマルシーニョが回収。ダイレクトでシュートも撃てる場面だったが、ブラジル人ドリブラーは冷静にグラウンダーのクロスで中に戻す。そのボールに反応したダミアンがクロスをヒールで流し込み、清水のゴールネットを揺らしたのだ。
ダミアンの3試合連続ゴールが、等々力競技場に歓喜をもたらした。
途中出場した小林悠のミドルシュートや谷口彰悟のヘディングなど、その後も川崎は清水のゴールを狙い続けるが、追加点は生まれない。守備陣の集中した守りも最後まで切らすことなく、このまま試合終了。ダミアンのゴールが決勝ゴールとなった。
この日の等々力競技場には1万1576人のサポーター・観客が駆けつけ、至る所にブラジルの国旗を掲げた。ともすれば、ブラジル代表戦が行われていると勘違いしてしまうほど、緑の国旗が客席に並んだ。というのも、この試合の前にダミアンの去就問題がさまざまに報道されており、今季で契約が切れるエースストライカーに残留の願いを届けようとしたのだ。