■上位5人のスコアラーで最も低い数字

 ちなみに、5位はアンデルソン・ロペス(札幌→現・武漢)とディエゴ・オリヴェイラ(FC東京)とオナイウ阿道(横浜FM→現・トゥールーズ)で、いずれも12得点。6位はチアゴ・サンタナ(11得点、清水)だ。

 シーズン中に海外移籍を果たした3人のスコアラーを除いた、得点ランク上位5人は前田、ダミアン、上田、オリヴェイラ、サンタナととなる。この5人の中で、ゴール以外の数値で上田が圧倒的に低いものがある。

 それが出場時間だ。前田が2271分、ダミアンが1841分、サンタナが2663分、オリヴェイラが2292分なのに対し、上田は1411分。前田、ダミアン、サンタナは24日に試合を行うため、さらに差は大きくなる可能性がある。

 90分当たりの得点率で言えば上田が圧倒的と言えそうだが、チームをけん引するストライカーとしては現在の出場時間はやはり物足りないと言わざるを得ない。しかも、上田は鹿島アントラーズのエースなのだ。並みのチームのエースではない。常勝軍団に文字通り常勝をもたらすために、安定して試合に出続けることが求められる。

 上田の能力に疑いの余地はなく、近い将来、日の丸のエースも期待される選手だ。実際、今夏の東京五輪ではエースストライカーとして期待されたものの、負傷の影響で先発の座を譲らざるを得なかった。“もし”はないが、東京五輪で上田への“もし”は誰もが持ってしまうものだろう。

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