■復活した「セブンシスターズ」

 王朝を築いた9年のうちの5年で、ユーヴェは最終結果で2位に勝ち点9以上の差をつけていた。2位と4差以下だった4シーズンのうち3度は、2位と3位、あるいは3位と4位の勝ち点差が2ケタ台。つまり、ユーヴェのライバルとなるチームが不在、ないしはせいぜい1つか2つという状態が続いていた。

 だが、2019-20シーズンは、優勝したユーヴェから4位までが勝ち点5差にひしめいた。そして昨季はインテルが王座を奪還し、2位から5位までの4チームが勝ち点2差と、上位勢の間で差がなくなっている。それゆえ、「拮抗したリーグ」との声は頻繫に聞かれるようになった。

 そして誕生したのが、「セブンシスターズ」という愛称だ。ユヴェントス、インテル、ミラン、アタランタ、ローマ、ナポリ、ラツィオの上位7チームを指すこの言葉は、セリエAが世界最高峰と言われたカルチョ全盛期に聞かれたものだ。

 アタランタとナポリの代わりに、かつて「セブンシスターズ」の一角だったパルマとフィオレンティーナのうち、前者はセリエBに降格した。だが、フィオレンティーナはイタリアーノをスペツィアから引き抜いた今季、7節を消化して5位と好調。「セブンシスターズ+1」として台頭が期待されている。

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