イングランドのプレミアリーグにはこれまでも何人もの日本人選手が挑戦してきたが、壁は厚かった。これまでイングランドで成功した日本人といえば、前線での豊富な運動量でレスター・シティーの奇跡の優勝(2015/16年)に貢献した岡崎慎司。そして、サウサンプトンでセンターバックとしての地位を確立した吉田麻也の2人しかいなかった。
マンチェスター・ユナイテッド入りした香川真司も活躍できなかったし、リヴァプール入りを果たした南野拓実も(現在まで)出場機会を得られないでいる。そんな中で、冨安はアーセナルで早くも確固たる地歩を築いてしまったようだ。
イングランドのプレミアリーグというのは、フィジカル・コンタクトの強さやスピードが特徴であり、非常にインテンシティ―が高い。どこの国の選手でもプレミア入りすると順応するのにある程度の時間が必要とされる。そんな中で、冨安は合流直後から何の遜色もないプレーを見せているのだ。
日本人DFがプレミアリーグという戦場でこれだけ活躍できるというのも、ある意味で驚くべきことだ。「日本人選手はフィジカル的に劣る」という常識もこれからは見直すべきなのかもしれない。