■20世紀で2クラブ目のダブル・チャンピオン
しかし、1967年にはブラジル・サンパウロの強豪パルメイラスが来日。そして、メキシコ・オリンピックを前にイングランドからアーセナルが来日して3試合を行ったのだ。
アーセナルが3戦全勝と実力を発揮したのだが、東京・国立競技場での1戦目では渡辺正の右からのクロスに対して、ニアサイドに飛び込んだ釜本邦茂がヘディングで合わせて日本代表が先制。同じ国立競技場での最終戦にはさらに多くのファンが集まり、入場ゲートを壊して入場する人までいたという騒ぎになった。
僕ももちろん東京での2試合を観戦に行ったし、東京の世田谷区のグラウンドで行われたアーセナルの練習も見学に行った思い出がある。
この時のアーセナルはその後強化を続け、1970/71年のシーズンに当時のイングランドのトップリーグ、フットボールリーグ(FL)1部で優勝。さらに同シーズンにはFAカップにも優勝して、「20世紀で2クラブ目のダブル・チャンピオン」という偉業を達成することになる。
そして、これはまったくのプライベートな思い出だが、1972年10月に僕は初めての海外旅行をして、ロンドンのアーセナル・スタジアム(今のエミレーツ・スタジアムではなく、昔のハイバリー)でマンチェスター・シティーとの試合を観戦した。これが、僕にとって初めての海外でのサッカー観戦だった。
こうして、アーセナルは様々な世代の日本人にとって記憶に残るクラブとなった。いや、もっと古くからアーセナルは日本でも有名だった。