■先制ゴールはセレッソに奪われた
数少ない攻撃機会では、まだ低い位置からプレスを気にしてサイドに回すために、乾貴士がボールを持った時に対面の常本佳吾をかわして前進できるかどうかが、決定機に繋がるのではなく、チャンスに繋がる第一段階、という状態になってしまった。
前からどんどんくる鹿島と、前に行けないセレッソ、という対照的な姿は一方的な鹿島ペースをもたらしたが、鹿島のゴールだけが生まれなかった。
後半も鹿島が優勢を保ったが、やはりゴールが生まれない。
鹿島の相馬直樹監督はそれを「難しい状況」と捉えた。「なかなかゴールをこじ開けることができず、後半も流れが悪くないのに点が取れなかった」（相馬監督）ために、圧倒的に優勢ながら先に動くことにした。
５６分に前線の３人を入れ替え、優勢を結果に繋げようとした鹿島だったが、先制ゴールはまさかのセレッソに記録された。
鹿島の交代から間もない５８分、フィールド中央で加藤と三竿が競り合ったところに原川力が加わり、ボールを奪うと一気に前進。パスを受けた乾がドリブルで守備陣を引きつけ、最前線にいた大久保が外へ動いてスペースを生むと、そのままペナルティエリアまで走り込んだ原川が乾のラストパスを決めた。
