■良かったのは試合が終わるまで

 さて、現地時間(ヨーロッパ東部標準時間)で21時47分に始まった試合はPK戦が終了すると、もう翌日の未明になってしました。帰りもホテルのバスに乗って帰ろうと思って、急いでバス・ターミナル(駐車場)に行ったのですが、もうそこは大混乱でした。どこにどんなバスが停まっているのか、まったく分かりません。人込みの中、ようやくホテルのある近所まで行きそうなバスがあったので、それに乗ろうとしました。

 その時、周囲を囲まれてしまいました。屈強な男によってバスの車体に体が押し付けられて身動きが取れなくなってしまいました。「まずい」と思っても、もう脱出は不可能です。すると、周りから何本かの手が伸びてきて、僕のジャケットのポケットの中を探っています。しかし、これはもう抵抗はできません……。

 もっとも、幸いにもその日は当日分の少額の現金しか持っていませんでしたので被害は最小限ですみました。これも、不思議なことに、ホテルを出る前に何かそんな気がしたので、残りの現金やクレジットカードなどはホテルに置いていったのです)。

 後から聞くと、リヴァプールのサポーターも大勢「集団スリ」の被害に遭ったそうです。

 予定通り、翌日からはイスタンブールの観光です。いやあ、この街はすごい。ローマやパリなどと並ぶ世界でも最高の観光地の一つです。ハギア・ソフィアやブルーモスク、トプカピといったメジャーなところだけでなく、ガラタ側にもアジア側にも宮殿やモスクなど至る所に観光スポットがありました。

 また、トルコ・リーグもまだやっていたので、ガラタサライの試合も見ることができました。トルコのサポーターの過激な応援を楽しみにしていたのですが、デニゼリスポル戦はもう優勝が決まった後の消化試合であり、しかもガラタサライが4対0で楽勝したので、スタンドは大変に和やかな雰囲気で拍子抜けしたのですが……。

PHOTO GALLERY ■【写真】観戦の苦労をしのばせる証拠のチケット
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