■酒井とは違う「サイドバック明本」の魅力
一方、左のサイドバックとしては、最近は明本考浩が起用されている。
今シーズン栃木SCから加入した明本はMFでもFWでもプレーする選手だ。今シーズンの開幕戦、FC東京との第1節では明本は右のサイドハーフでプレーしている。その後、様々なポジションで起用された明本が最近になって、左サイドバックとして固定して起用されるようになったのである。いや、最近でも8月25日のサンフレッチェ広島戦では明本はユンカーと組んでツートップの一角としても起用されている(左SBはショルツで、江坂は右のサイドハーフ)。
本来がMFを主戦場としてきた選手である。右サイドの酒井がタッチライン際のオーバーラップを武器にする古典的なサイドバックだとすれば、左の明本はインナーラップを使う新しいタイプということになる。
左のサイドハーフに入る汰木がサイドに張っている時は、明本はインナーラップしてインサイドMFとしてプレーするし、時には右サイドまで顔を出すこともある(横浜FC戦の前半終了間際には、右のコーナー付近で左サイドバックの明本が関根からの縦パスを受けてオフサイドを取られる場面があった)。
そして、汰木が中に入ってプレーすると、今度は明本がタッチライン際からオーバーラップをかけてサイドを崩すこともあり、浦和の左サイドからの攻撃は多彩なものとなっている。