将来を嘱望される2人のヤングプレーヤーが、マジョルカに到着した。
久保建英とイ・ガンイン。レアル・マドリーとバレンシアから、前者はレンタルで、後者は完全移籍でそれぞれ加入している。
環境や境遇に共通点も違うもある両者だが、課せられたタスクはひとつ。マジョルカの1部残留に貢献することだ。
日本と韓国、アジアをリードする両国の希望の星は、スペインで輝くことができるのだろうか。
■久保とイ・ガンインの「異なる左足」
日本時間9月11日深夜、ラ・リーガ第4節のアスレティック・ビルバオ戦で、久保建英とイ・ガンインが同時にピッチに立った。短い時間ではあったが、今後へのヒントはうかがえた。
【4-2-3-1】のフォーメーションで、先発していた久保が右サイドへと移り、空いたトップ下にイ・ガンインが入った。
久保は右サイドでワイドに開いてボールを受けることもできれば、少し中央に絞りハーフスペースでボールを受けることもできる。左足で細かくタッチしながら、縦にも仕掛けられ、またカットインしながら味方とコンビネーションしながら危険なエリアに侵入していける。
イ・ガンインが使うのは、より中央寄りのゾーンだ。バイタルエリアの付近で仕事をする。彼の左足は、久保のそれとは似て非なるものだ。イ・ガンインの左足はハメス・ロドリゲスやマルコ・アセンシオのようなもので、一発のサイドチェンジやミドルシュートで威力を発揮する。
現状、久保がサイドにいて、イ・ガンインが中央にいる方が、マジョルカとしても攻撃の形をつくりやすい。個人技が高く連係力のある久保がボールを持ちながら内側に入り、敵の守備陣が圧縮されてきたところでイ・ガンインにパスを渡す。そこからイ・ガンインのミドルシュート、あるいはさらに相手D Fが寄せてくれば、久保にリターンパスもしくは1トップのフェル・ニーニョへのスルーパスという状況をつくり出せる。