■イ・ガンインには、やや焦りが…

 久保がトップ下、イ・ガンインが右サイドハーフ、という選択肢もある。あるいは、どちらかが左サイドハーフに回る可能性もある。

 ただし、懸念材料も見えている。マジョルカに加入したばかりの現時点では、かつて所属していた久保とは違い、アピールが必要だと考えているのか、イ・ガンインの方が「オレが、オレが」という意識が強いように見えるのだ。久保はマジョルカでプレーした2019-2020シーズンの経験により、複数のチームメートと理解し合えている。そのため、より自然体でプレーしており、余裕がある。こうした状況では、個人の打開よりも連係を意識している様子の久保をサイドに置いた方が、攻撃のバリエーションは増えるだろう。

 ルイス・ガルシア監督にとっては、オン・ザ・ボールの際のプレーに優れる久保やイ・ガンインと、オフ・ザ・ボールで特徴を出せるフェル・ニーニョやダニ・ロドリゲスを、いかにうまく組み合わせられるかが重要になる。いずれにせよ、能力の高い選手をいかに組み合わせるかというぜいたくな悩みであることは確かで、健全な競争はチームを活性化するものだ。

 久保はバルセロナのカンテラで、イ・ガンインはバレンシアのカンテラで、それぞれ育った。

 2人はアレビン(U-11世代)のカテゴリーで対戦した経験がある。2013年、グラナダで行われたトーナメント戦で、バルセロナとバレンシアが激突したのだ。それから8年後に、ラ・リーガ1部で2人がチームメートになるとは、当時は誰も想像してもいなかったことだろう。

 マジョルカの久保とイ・ガンインの獲得が、アジア市場へのアピールを意識したものであることは確かだろう。だが、2人にとってはどうでもいいことだ。ピッチ上のパフォーマンスで間違いなく勝利に貢献できる人材であり、2人もそれを望んでいる。それはまた、マジョルキン(マジョルカのファン)が心待ちにしていることでもあるのだ。

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