【J1分析】両チームの丁寧さを支配した「背番号5」長澤和輝【名古屋グランパス対徳島ヴォルティス】サッカーにおける球際の強さ(1)の画像
岩尾憲にボールが渡ると、長澤和輝が蓋をするように立ちはだかった 撮影/原壮史
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明治安田J1リーグ 第28節 名古屋グランパスvs徳島ヴォルティス 2021年9月10日 19:04キックオフ

 岩尾憲にボールが渡ると、蓋をするような形で長澤和輝が立ちはだかる。

 徳島の舵取り役である岩尾がしっかりマークされること自体は珍しくない。しかし、この日の背番号8はいつものような、寄せられてもターンを交えながらそこを剥がして展開するプレーをすることができなかった。長澤自身が球際に強いこと、仮にチャレンジすればそこに稲垣祥が鋭く迫ってくること、それらを考慮すれば無理はできなかった。

 そうして縦を塞がれた岩尾は、ボールを左右に散らすことで自分たちも相手も動かそうとした。サイドで相手を押し込んでから手前の位置でボールを受けることでどうにかしようと試みたが、それでも長澤はついてきた。

 そして名古屋の両サイドハーフ、前田直輝森下龍矢がパスコースを限定させるための運動を惜しまなかったことで横へのボールそのものを狙われてしまう場面が出てくると、徳島の攻撃は垣田裕暉へのロングボール頼みになってしまった。そこでは中谷進之介キム・ミンテのコンビが盤石のプレーを披露しており、これで名古屋が崩れる可能性はなくなった。

 前半は0-0で終わったが、こうなってしまうとあとは名古屋が得点を奪えるかどうかしかなかった。

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