■球際の戦いで負けない強さ

 その名古屋の攻撃に対し徳島のダニエル・ポヤトス監督は試合後「相手のボランチにプレスを掛け、相手をコントロールしてナーバスな気持ちを与えたいという狙いがあった」と説明している。つまり徳島の攻撃を成立させないためのキーマンとして躍動した長澤は、ボールの奪いどころとして狙われる立場でもあった。岩尾とは見る・見られるの関係であり、ボールが入ると渡井理己鈴木徳真らが奪いに来た。

 しかし長澤は守備だけでなく攻撃でも優位を保ち、縦にパスを出すことで手数をかけない名古屋らしい攻撃を成立させることができた。

 それはなぜか。

 これもやはり、球際の戦いで負けない強さがあるからだ。

 名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督は試合後「徳島は試合の入りからしっかりプレスをかけてくる、スピード感のあるプレスをかけられるメンバー。そういうスタイルでくると最初から理解したうえで、丁寧に試合をスタートさせた」と語っている。そのキーとなったのが長澤だった。徳島から丁寧さを奪い、自分たちの丁寧さを保ってみせた彼は期待通りの活躍を果たし、先制後の64分にお役御免となった。

 イタリア人指揮官が「試合をトータルで見ると、ある程度一方通行な試合になった。なかなかゴールをこじ開けられず決まっていなければ違った結果になった、というようなものではなかった」とまで言い、スタメンで出ればフル出場が当たり前の稲垣を途中交代させて休ませることを選べるほどの試合になったのは、両チームの丁寧さを支配してみせた背番号5の存在があってこそだった。

その2はこちら
PHOTO GALLERY 名古屋グランパスVS徳島ヴォルティスの写真
  1. 1
  2. 2
  3. 3