■横浜が苦戦した札幌のマンマーク

 横浜がリズムに乗れなかった要因として、札幌のマンマーク気味の対策があった。札幌は昨季からマンマーク気味に相手チームについていて、これが対戦チームのビルドアップを阻害。例えば、昨季の川崎が数少ない苦杯を喫したのも札幌だったように、この日のマリノスも攻撃をいつものようには組み立てられなかった。細かくボールを回そうとしてもボールを出す先に札幌の選手がついていて、簡単に奪われてしまう場面が続いた。さらに札幌は、逆サイドへの展開を利用してチャンスを作っていった。

 63分にマルコス・ジュニオールとレオ・セアラを下げて天野純とエウベルをピッチに送り込み、中盤の支配と推進を試みようとしたが、それでも、札幌の優勢は変わらない。その苦しい状況を変えたのが、74分の2枚替えだった。喜田拓也仲川輝人を下げて水沼宏太杉本健勇を入れると同時に、システムを変更。それまでの4-3-3を4-4-2とし、中盤の4枚をダイヤモンドとした。74分から目に見えてリズムを掴みだしたマリノスは、右の水沼、左のエウベルが2トップの前田大然と杉本にボールを供給。スタジアムの空気を徐々に高めていった。ペトロヴィッチ監督が「75分までは札幌が試合を支配し、5点を取ってリードしてもおかしくないような展開」と試合後に悔やむような流れとなった。

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