■10月16日/J1第32節 横浜F・マリノス 2-1 コンサドーレ札幌(日産)
ドラマは終盤に待っていた。
首位・川崎フロンターレとの勝ち点差が12に開いていて、逆転優勝を達成するにはもう負けられない状況だった。しかし、日産スタジアムで行われた札幌戦は、アウェイチームのペースで進む。しかも、先制点は札幌。菅大輝が、ショートコーヒーのボールを受けるや豪快にニアをぶち抜いたのだ。左足から放たれたシュートは、横浜サポーターが見守るスタジアムが思わず驚きの声で満たされるほどのゴラッソだった。
公式記録での前半のシュート数は横浜が6本に対し、札幌は10本。本数に加えて得点の匂いをより感じさせたのも札幌のほうで、ケヴィン・マスカット監督も「難しい試合展開でした」と前置きしたうえで、「正直、前半は自分たちよりも札幌のほうがチャンスを作っていましたし、2点目を取られてもおかしくない状況でした」と振り返ったほどだった。
後半開始時点からマリノスは動く。すでにイエローカードをもらっていたMF扇原貴宏に代えてDF實藤友紀を投入。センターバックで先発していた岩田智輝を中盤に上げて挑んだ。だが、それでも試合のリズムは変わらない。前半同様に札幌がボールを握り、追加点を狙う流れのまま時間は進んだ。アウェイサポーター席からの拍手は、ますます大きく感じられた。