■なぜ、パス・サッカーは発明されたのか?
さて、1866年のルール改正後も、イングランドでは昔ながらの密集戦が主体のままだった。一方、スコットランドではパス・サッカーが普及したので、当時は「ロングパスのイングランド」、「ショートパスのスコットランド」と言われていた。
パス・サッカーが何故スコットランドで発明されたのか。それは、よく分からない。もしかしたら、もともと中世の「マス・フットボール」の時代からスコットランドではよりテクニカルなプレーが好まれていたのかもしれないが、今のところはっきりした証拠はない。
いずれにしても、スコットランドに多いケルト系の人々は(「スコットランド」という国名はケルト系のスコット人に由来する)、イングランドに多いアングロサクソン人(アングロ人が住んでいるから「アングロの国=イングランド」となった)より体が小さかったから、ロングボールの蹴り合いよりショートパスをつなぐサッカーの方がスコットランドには有利だったようだ。