■【その4 黄金時代】
・英国勢として初の欧州チャンピオンを戴冠
1880年にスタートしたスコットランドのトップリーグで優勝51回というのだから、連覇も多い。近年では、中村俊輔が在籍した2006年から3連覇を飾り、69戦無敗という大記録を打ち立てた2010年代には8連覇も達成した。しかしセルティックが最も輝いたのは、1960年代から1970年代にかけての9連覇。まるで読売巨人軍である。
この時代には、現在のUEFAチャンピオンズリーグの前身である欧州チャンピオンズカップで優勝を飾り、「欧州チャンピオン」の座も射止めている。1966/67シーズンの大会、セルティックはポルトガルのリスボンでイタリアのインテル・ミラノと決勝戦を戦い、相手のエース、サンドロ・マッツォーラにPKで先制点を許したのにもめげず、セルティックは持ち前の攻撃サッカーで次々と突破、後半に左サイドバックのトミー・ジェメルが同点ゴールを突き刺し、終了6分前にはFWスティーブ・チャーマズが左から決めて2−1の勝利をつかんだ。
フランス、スペイン、イタリアといった欧州大陸のクラブが主導してきた欧州チャンピオンズカップ。英国から最初にチャレンジしたのはイングランドのマンチェスター・ユナイテッドだったが1958年の飛行機事故(ミュンヘンの悲劇)でチームが壊滅し、再び挑戦権を得て念願のタイトルを獲得するのは1968年のこと。その前年に、英国のクラブとして初めて欧州に覇を唱えたのがセルティックだった。
この決勝戦は日本でもしばらくたってテレビ放映されたが、右のジミー・ジョンストン、左のボビー・レノックスという両ウイングが快走に次ぐ快走を見せ、セルティックの攻撃を牽引した。インテルは超守備「カテナチオ」のチームだったが、いくら後ろに人数をかけて守備を固めても、セルティックの攻撃を止めることはできなかった。