【J1分析】「五輪後」にポジションを奪還した浦和・西川周作【湘南ベルマーレ対浦和レッズ】「5000分の2」の笑顔(2)の画像
試合後、笑顔を見せる湘南の谷晃生(左)と浦和の西川周作 撮影/原壮史
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■【明治安田J1リーグ 第27節 湘南ベルマーレvs浦和レッズ 2021年8月29日 19:03キックオフ】

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 それは西川周作も同様だ。前回の対戦では鈴木彩艶がプレーし、背番号1はベンチから試合を眺めていた。しかし、鈴木が五輪代表で離脱した時期に流石のプレーで安定した成績を残すと、五輪後もそのまま全試合でピッチに立ち続けている。

 湘南の浮嶋敏監督は「3人目で前を向いたあとに展開し、流れを切らさず出ていく攻撃が随所にあった」「攻撃の仕掛けに関しては距離感が良かった」としつつも「1点が遠かった」とも述べた。仕掛けの部分では思うようにできていたのに最後のところでゴールが遠い。これもやはりキーパーとしての役割を果たせたということになるだろう。

 アレクサンダー・ショルツや槙野智章らと共に最後のところを好きにさせずシャットアウトすることに成功した西川は、コーチングや壁の作り方でもチームを安定させた。

 同一コンペティションであれば連戦でも基本的にターンオーバーの対象にならず、試合途中で交代することも普通はないゴールキーパーというポジションは、序列が入れ替わるチャンスも滅多にない。その数少ないきっかけを活かしてゴールマウスに戻ってきたのに、自らのプレーでポジションを譲るわけにはいかない。無失点という結果に勝るものはない。

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