■シュート3本のうち2本を決める

 そのピトゥカの動きに合わせて裏を狙ったのが上田だ。マリノス陣地の半分ほどでスピードを緩めたピトゥカが放ったスルーパスに18番が反応。DF畠中槙之輔を置き去りにしてGK高丘陽平と1対1に。これを冷静に決めたのだ。三竿が奪ってからシュートまで12秒。先制点同様のスピード攻撃だった。

「一番の狙いである“速く攻める”というところで、前半のうちに素晴らしい形で2点を取ることができた」

 相馬監督が明かしたように、鹿島の狙いは縦に速い攻撃だった。そしてそれを見事に結実させた。公式記録では、鹿島が放ったシュートはわずかに3本。しかし、その2つを決めたのだ。常勝軍団のしたたかさを感じさせる内容と結果だった。

 そしてそれを具現化したのが、期待の若手だった。しかも、それが生きるための選手編成で、鹿島は試合に挑んだのである。


※続きはこちら
PHOTO GALLERY ■【画像】横浜F・マリノスー鹿島アントラーズの写真■
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4